不具合

 真空管が赤熱し、ヒューズが切れる 

修理概要

 電源を入れると出力管6L6が赤熱を始めます。電圧を調べていくと二本の出力管の内、赤熱する方だけバイアス電圧が高い(浅い)ことが分かります。さらに確認していくと原因は基板のリーク電流によるものと分かりました。幸いにしてリーク電流が発生している場所は、4本の出力管を使うときに(今回は二本)使われる部分で今は使われていない場所でした。この部分のプリント基板の配線を切り離して改善しています。基板の他の部分はクリーニングします。また、別の所に隠れた問題がないかプリ管の特性を確認、電解コンデンサの劣化を全て確認、基本的な最大出力などの特性も確認して終了しました。

図1 出力段の回路図上に測定した電圧を示しました。カットする前は上側の出力管のバイアス電圧が上昇している事が分かります。確認後に赤い×印の所をカットしています。カット後は正常な電圧に戻っています。

Caliber 出力回路と電圧

写真1 基板の赤い×印の所をカットしています。さらにここに繋がる配線は全て外で繋いでいます。テスターでGND間の抵抗を測定しています。カットした部分の右側では抵抗が無限大(オーバーレンジ)になっており絶縁されていることが分かります。

Caliber プリント基板カットの右側

写真2 カットした部分の左側では抵抗が261.5KとなっておりGND間にリーク電流が流れることを示しています。

Caliber プリント基板カットの左側